- 高機能義歯について
- 磁石でつく高機能義歯
- 高機能義歯の症例紹介
大事な歯、揺らしてしまう 義歯のバネ (多くの場合、特殊磁石でなら救えます。)
磁石を使った入れ歯について
まず磁石と言うとみなさんは何を思い浮かべるでしょうか? 冷蔵庫などにくっつけるクリップでしょうか? 理科の実験で使った馬蹄形の物でしょうか? もちろんそれらも磁石ですが入れ歯に使うには大き過ぎますね。では入れ歯につける磁石を見ていただきましょう。
赤いマッチの先と、その下の磁石(灰色の金属物)の大きさをくらべて下さい。長いところで3ミリ程、厚さ1ミリ程です。マッチの先よりも小さく、重さも感じません。
さてこの磁石の力は、メーカーによると一つで六百グラムとのことですが、私が実際に口腔内で使った感じとしては三百グラムほどではないかなと思います。まあ実験室で行う測定と実際の口腔内では条件が違いますし、患者さんの歯茎の状態も様々ですから、正確な数値を出すのは難しいかもしれません。
どのようにして入れ歯を磁石で支えるのか
入れ歯の作り方は前回に説明させていただきました透明床義歯と同じです。ただ今回は磁石で支えるので、先に入れ歯を作る前に土台となる歯の根に金属を付けます。また歯の根が健康であれば一度の型取りで金属を付けることができます。左上の写真では歯茎の部分に、一つだけ金属が付いていますね。これは歯の根元に、磁石につきやすい特殊な金属を付けた状態です。では肝心の磁石はどこに付いているのでしょうか?そうなのです、入れ歯の裏側に磁石が付くのです。そしてこの磁石と歯の根の金属がくっつくのです。
今回使った模型は一本の根だけを活用したケースですが、当然の事ですが、根の本数が多ければより快適な状態になります。
従って、歯周病で歯の本数が減り、残りの歯にバネをかけて入れ歯を支えると、歯茎が弱い場合にはバネをかけている歯がもたなくなります。毎日の入れ歯の出し入れと、バネの締め付けで歯がゆるんで来るのです。しかし、磁石で支えるとバネの締め付けがなく、また強過ぎる力もかからないため歯自体が長持ちし、長い目で見ると歯茎の減りが遅く、入れ歯を安定させやすくなるのです。また、笑ったときにバネが見えないという利点もあります。
ただし、頭部のMRI検査を毎年のようにお受けの方は、頭部のMRI検査の画像に影響が及ぶため、歯科用超小型磁石の装着は下顎前歯部限定した方が良いと思います。

